パーティクル表現
雪の結晶を関数化する
雪の結晶を降らせるためには、雪の結晶を描く処理をまとめておいた方がいいので、雪の結晶を描く関数をつくります。
スケッチ名:particle-snow-fucntion
前頁で作った transform-snow-01
のスケッチを複製し、 drawSnow01
という関数を作って、background
以外の雪の描画に関係する処理をすべて関数の中に移動してみましょう!
ヒント: 座標変換を push
pop
で囲う。 setup
に rectMode
や strokeWidth
などを書いていたら、それも drawSnow01
関数内に移動する。
let NUM = 6;
function setup() {
createCanvas(400, 400);
}
function drawSnow01() {
// ここに雪の描画に関する処理を全てもってくる
}
function draw() {
background(240);
drawSnow01();// 実行
}
位置 回転 大きさ 色 を指定できるようにする
位置を指定する
スケッチ名:particle-snow-fucntion-args-pos
drawSnow01
関数に中心座標を指定する引数 x
y
を追加して、マウス座標を中心に雪が描画されるようにしてみよう!
...
function drawSnow01(x, y) {
...
}
function draw() {
background(240);
drawSnow01(mouseX, mouseY);// マウス座標に表示
}
回転を指定する
スケッチ名:particle-snow-fucntion-args-angle
drawSnow01
関数に角度を指定する引数 angle
を追加して、任意の角度に回転できるようにしよう!
...
function drawSnow01(x, y, angle) {
...
}
function draw() {
background(240);
let sec = millis() / 1000;
drawSnow01(mouseX, mouseY, sec * 0.2);// 時間で回転させる
}
半径を指定する
スケッチ名:particle-snow-fucntion-args-radius
drawSnow01
関数に半径を指定する引数 radius
を追加して、大きさを指定できるようにしよう!
ヒント:radius / もともとの半径
で目的の半径に変更するスケールの倍率を求めることができます。
...
function drawSnow01(x, y, angle, radius) {
...
scale(radius / もともとの半径);
...
}
function draw() {
background(240);
let sec = millis() / 1000;
drawSnow01(mouseX, mouseY, sec * 0.2, 50);// 半径50pxで表示
}
色を指定する
スケッチ名:particle-snow-fucntion-args-color
drawSnow01
関数に色を指定する引数 col
を追加して、stroke
fill
に入れている色を col
に置き換えてみましょう!
ヒント:color(R, G, B)
color() reference | p5.js
...
function drawSnow01(x, y, angle, radius, col) {
...
stroke(col);
fill(col);
...
}
function draw() {
background(240);
let sec = millis() / 1000;
drawSnow01(mouseX, mouseY, sec * 0.2, 50, color(150, 180, 255));// 引数から色を指定
}
残りスケッチも関数化
スケッチ名:particle-snow-fucntions
前頁で作った残りの transform-snow-02
~ transform-snow-05
のスケッチの雪の結晶もそれぞれ drawSnow02
~ drawSnow05
関数にして、ひとつのスケッチの中で drawSnow01
~ drawSnow05
関数が使えるようにしよう!
...
function drawSnow01(x, y, angle, radius, col) {
...
}
function drawSnow02(x, y, angle, radius, col) {
...
}
function drawSnow03(x, y, angle, radius, col) {
...
}
function drawSnow04(x, y, angle, radius, col) {
...
}
function drawSnow05(x, y, angle, radius, col) {
...
}
function draw() {
background(240);
let sec = millis() / 1000;
drawSnow01(75, 125, sec * 0.1, 20, color(150, 180, 255));
drawSnow02(200, 125, sec * 0.2, 30, color(180, 150, 255));
drawSnow03(325, 125, sec * 0.3, 40, color(120, 180, 255));
drawSnow04(125, 275, sec * 0.4, 50, color(150, 200, 255));
drawSnow05(250, 275, sec * 0.5, 60, color(180, 220, 255));
}
雪をひとつ降らせる
雪のデータをオブジェクトで管理する
スケッチ名:particle-snow-object
drawSnow01
~ drawSnow05
の引数 x
y
angle
radius
col
のプロパティを持つオブジェクトを作り、オブジェクトのプロパティを元に雪の結晶が描画させるようにしよう!
draw
関数の中で y
と angle
を更新して、キャンバスの高さを超えたら上にループするようにしよう!
let NUM = 6;
let obj = {};// 空のオブジェクト randomやcolorを使うのでここではプロパティを定義しない
function setup() {
createCanvas(400, 400);
obj = {
x: width / 2,
y: 0,
angle: 0,
radius: 50,
col: color(150, 200, 255)
};
}
function drawSnow01(x, y, angle, radius, col) {
...
}
...
function draw() {
background(240);
// obj.y を更新
// obj.angle を更新
// obj.y が height を超えたら、obj.y を 0 に戻す
// obj のプロパティを使って drawSnow01 ~ drawSnow05 のどれかを表示
}
自然にループさせる
スケッチ名:particle-snow-object-narutal-loop
ループするときに半分見えた状態で消えて、半分見えた状態で出てきてしまっているので、雪の結晶が完全にフレームアウトしたときにループして、見切れていない高さから降ってくるように変えてみよう!
ヒント:obj.y
の初期値とループ時に代入する obj.y
の値、ループ判定の高さを obj.radius
の分マイナスする
ランダム性を持たせる
スケッチ名:particle-snow-object-random
x
y
angle
radius
col
の初期値をランダムにして、ループするごとに x
angle
radius
col
がランダムに再設定されるようにしよう!
ついでに obj
に speed
というプロパティを増やして、降るスピードもランダムにしてみよう!
オブジェクトを配列にして雪をいっぱい降らせる
スケッチ名:particle-snow-object-array
オブジェクトを配列化して、雪をの結晶を10個降らせてみよう!
配列を for
文で回すときにどうしても 配列名[i]
の記述が多くなりがちですが、何度も同じ記述を書くのは面倒なので、ループ内の最初の行で 配列名[i]
を変数にいれておくと便利です。
let NUM = 6;
let NUM_SNOW = 10;// 雪の結晶の数
let data = [];// 空の配列
function setup() {
createCanvas(400, 400);
for (let i = 0; i < NUM_SNOW; i++) {
let r = random(10, 30);
data.push({// 配列にオブジェクトを追加
x: random(width),
...
});
}
}
...
function draw() {
background(240);
for (let i = 0; i < data.length; i++) {
let obj = data[i];// data[i]だらけになっちゃうので、変数にいれる
// obj の更新
// obj をつかって雪の結晶を描画
}
}
スケッチ名:particle-snow-object-array-random
実行した最初の高さが不自然に揃っているので、obj.y
の初期位置をランダムにしよう!
結晶の種類のデータを持たせる
スケッチ名:particle-snow-object-array-snow-type
obj
に snowType
というプロパティを追加して 1
~ 5
のランダムな整数を入れよう!
obj.snowType
がそれぞれの雪の結晶の番号と一致する時に、対応する drawSnow
関数を実行して5種類がランダムで表示されるようにしよう!
ループ時にも obj.snowType
に 1
~ 5
のランダムな整数を入れて種類が変わるようにしよう!
ヒント:floor
関数で少数を整数に変換できます。
ランダムな整数
random
関数が返す値は常に少数なので、ランダムな整数が欲しい場合は、自分で少数から整数に変換する必要があります。
整数に変換するには floor
関数を使用します。
let num1 = floor(0.567);
let num2 = floor(1.234);
let num3 = floor(random(1, 6));// 1 < x < 6 の範囲のランダム整数 1 ~ 5
console.log(num1);// 0
console.log(num2);// 1
console.log(num3);// 1 or 2 or 3 or 4 or 5
...
function setup() {
createCanvas(400, 400);
for (let i = 0; i < NUM_SNOW; i++) {
data.push({// 配列にオブジェクトを追加
...
// snowType に 1 ~ 5 のランダムな整数を代入
});
}
}
function draw() {
background(240);
for (let i = 0; i < data.length; i++) {
let obj = data[i];// data[i]だらけになっちゃうので、変数にいれる
...
if (obj.y - obj.radius > height) {
...
// obj.snowType に 1 ~ 5 のランダムな整数を代入
}
if (obj.snowType === 1) {// snowType が 1 のとき drawSnow01 を実行
drawSnow01(obj.x, obj.y, obj.angle, obj.radius, obj.col);
}
...
}
}
画面いっぱいにスケッチを表示する
これまで createCanvas(400, 400)
で 400px x 400px
の固定サイズでやってきましたが、createCanvas
に windowWidth
windowHeight
をいれることでウィンドウいっぱいのサイズでスケッチを作ることができます。
function setup() {
createCanvas(windowWidth, windowHeight);// ウィンドウサイズでキャンバスを作成
...
}
ウィンドウリサイズに対応する
window
function setup() {
createCanvas(windowWidth, windowHeight);
...
}
...
// ウィンドウリサイズ時に呼ばれる
function windowResized() {
resizeCanvas(windowWidth, windowHeight);// キャンバスを新しいウィンドウサイズにリサイズ
}
応用編
以下の例を参考にして、値の調整やグラフィックの追加、インタラクションの追加をしてスケッチにオリジナリティを出してみましょう!
スケッチ名:particle-snow-advanced-01
particle-snow-advanced-02
...
背景に木や雪だるま、かまくらなど装飾を足してみる。
デモ
マウスが重なると雪の色が変わる。(ヒント:dist() reference | p5.js)
デモ
常にランダムな種類ではなく、マウスクリックで1種類ずつ変わる。
デモ
常にランダムな種類ではなく、キーの 1
~ 5
を押したら種類が変わる。
デモ
結晶がループした回数をカウントしてテキストで表示してみる
デモ